親からの抑圧を受けた人がフロムとニーチェを読んだら

社会心理学から見た個人の性格 【フロム "自由からの逃走 (東京創元社)" 付録「性格と社会過程」より要約】サディズムなど、外的要求 (経済的な競争)に働きかけられて個人が抱いた感情・考えた思考・行った行為ではなく、内的な衝動 (良心や義務)が個人に…

「現実感を以て思い出せない、あの頃仲良かった人たち」について

人のことを思い出せなくなる。思い出せないというか、本当に現実のことだったのだろうかと意識が訝しむ。10日前にあった人も、6年前に会った人のことも、忘れてしまう。顔や名前はもちろん覚えている。でも意識から完全に消えている。思い出も消えている。じ…

異国での躁鬱と不眠の夏、そして麻薬的なもの

うつ病かもしれない。と人生で初めて感じている。オーストラリアで。 スマホのアプリでストレス度合いを記録していたのだが、 このまえ土曜の朝はなんのやる気もしない気持ちだった。なのに日曜は嘘のように晴れやかな気持ち。先の不安も感じない。 と思うと…

麻薬的なものと資本家と繁栄 その3

andymori に MONEY MONEY MONEY という歌と、teen’s という歌がある。 今回は、この 2 曲に感じたことを書く。 MONEY MONEY MONEY スピード上げて大きな音出して 凄んでみても満たされないのは 毎朝鏡に映る瞳が "HEY このクズ野郎" と 呟くからさ - MONEY M…

麻薬的なものと資本家と繁栄 その2

大衆が個を忘れ全体に同化していく過程をワーキングホリデーに見る エーリッヒ・フロムの著作「自由からの逃走」において 近代の中産階級が、資本家などの権威に身を任せてしまい、自我を失う心理の社会的傾向を示していた。 自由であること、つまり中産階級…

麻薬的なものと資本家と繁栄 その1

麻薬的なものへの情景 私は、オーストラリアにワーキングホリデーにきている。アルバイトを探しつつも、アポ無しで面接交渉に行かなければならない事態を前にして、何故ここまでして働くのか理解が追いつかなくなってきた。 なのに、最新のiPhone・カジノ・…

ワーホリでの 1つの賭け

ワーホリで自分の内面を見つめることが増えている。 その為に、語学学校に行けなくなってきた。悪くはないが。選択肢はたくさんある。 賭けというのは、語学学校に行かなくても英会話を習得できるか、という実験。 賭けとは大げさかもしれないが、人生のうち…

2023年とandymori とオーストラリア その 3

今回からは andymori 要素はほぼなく、オーストラリア・ワーキングホリデーの体験日記的なことが内容の中心になると思う。 まず、オーストラリアでは、率直に言ってカルチャーショックを受けた。 「2023年とandymori とオーストラリア その2」の記事では、好…

2023年とandymori とオーストラリア その2

2023年とandymori とオーストラリア その1 - はてなブログ につづき、その2。 その1 で書いたのは、2023年 からandymori を聞き始めたこと、グローバリゼーション時代に群衆の中で日本で生きることの居心地の悪さみたいなことを書いた。それに加え、自分の…

2023年とandymori とオーストラリア その1

andymori の 1stアルバムを 2023年の 正月に聞き始めた。 遠くへ行きたい 大晦日の夜に2022年を振り返っていた。4年くらい前に聞き始めた米津玄師の歌に、"ピースサイン" があり、その一節が未だにずっと心の何処かに引っかかっていた。 残酷な運命が定まっ…

チェンソーマン第二部感想 前回の連載(2023/4/19) 生き辛い人ほど心に刺さる理由 子供時代に人間不信を植え付けられた人が地獄を見る孤独

前回のあらすじ アサが抱える心の葛藤 アサがなぜ人間不信になったのか?そして孤独な理由は? 自己効力感が低いアサ 前回のあらすじ 二部のヒロインであるアサが地獄に落とされそうになる。飢餓の悪魔の宣言通り、落下の悪魔が現れた。落下の悪魔がアサをメ…

鎌倉殿の十三人が描く、真っ直ぐすぎる生き方の男の末路

2022年9月11日にNHK総合ほかで鎌倉殿の十三人の第35回「苦い盃」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 前回、北条時政の娘婿である平賀朝雅が北条正範(時政の息子)を暗殺しました。この人は、京の朝廷に近い存在であり、後鳥羽上皇の目論見…

鎌倉殿の十三人が描く、自己利益優先の人々と共同体の安定を願う人々

2022年8月28日にNHK総合ほかで鎌倉殿の十三人の第33回「」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 次の将軍・実朝への代替わりが急ぎ足で進んでいき、 頼家という残務処理に義時が頭を悩ませた、そんな回だったと思いました。 実朝と朝廷を結び…

鎌倉殿の十三人が描く政治一家の大黒柱の運命

2022年8月14日にNHK総合ほかで鎌倉殿の十三人の第31回「諦めの悪い男」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 義時による比企滅亡への策略のオンパレード 比企を滅ぼすために義時が策略に重ねた策略を次から次へと繰り出していました。ついに義…

鎌倉殿の十三人で描かれる様々な家族愛の形

2022年8月7日にNHK総合ほかで鎌倉殿の十三人の第30回「全成の確率」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 北条と比企の争いがクライマックス 頼家が病になるように、時政が全成に呪詛をかけさせたことで、ここぞとばかりに比企が一気にたたみ…

鎌倉殿の十三人で描かれる、二代目の重責

2022年7月31日にNHK総合ほかで鎌倉殿の十三人の第29回「ままならぬ玉」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 アサシン・善児の二代目がめっちゃ強そうで冒頭から笑いました。 他人を心から信頼できない頼家 父・頼朝の孤独を見て育ってきたか…

鎌倉殿の十三人で描かれる、忠義心が届かない悲哀

2022年7月24日にNHK総合ほかで鎌倉殿の十三人の第28回「名刀の主」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 梶原景時に惚れました。今回はそれに尽きますね。 景時の悲哀 景時の不運というか、頼朝に忠義を尽くしてきたのに残念すぎます。頼朝が…

鎌倉殿の十三人で描かれる、世代交代の危機に鈍感な人々

2022年7月17日にNHK総合ほかで鎌倉殿の十三人の第27回「鎌倉殿と十三人」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 ついにタイトルの「十三人」の意味が明らかになりました。 今までタイトルの「十三人」っていう数字かっこよかったのに、「不必要…

鎌倉殿の13人に見る、主君を支えるか身内を守るかのバランスの難しさ

2022年7月3日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第26回「悲しむ前に」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 北条の分裂 頼朝への忠義を守る義時 政子とともに、源氏の嫡流=頼家を支える義時。また頼朝、頼家の乳母が代々比企でしたが、頼家の将来…

鎌倉殿の13人に見るリーダーのポストを利用するための根回し劇

2022年6月26日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第25回「天が望んだ男」が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 一言で言うと、「北条時政が比企をしのぐ勢いを持ち始めた」ということかな、と感じました。 曽我事件の頼朝謀反をめぐる北条・比企の…

鎌倉殿の13人 「変わらぬ人」真面目を曲げない範頼と権力に固執した頼朝の末路

2022年6月19日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第24回が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 陰謀に巻き込まれた範頼 曽我事件で頼朝が死んだという誤報を鵜呑みにし、下手に動いてしまった範頼が謀反を疑われました。範頼を頼朝の代役にと、比企…

全然4コマで書けない自分史

他者中心性と自己不透明性の時代 この最初の時期は今まででもっとも辛かった時間だろう。中学時代はずっと目立たない様にしていたし、高校に入ってからもう少し自分を出そうと試みるも続かず、高校2年生くらいから何においても自分軸というものがなかった。…

鎌倉殿の13人 「狩りと獲物」漂う頼朝の御家人たちの台頭の匂い

2022年6月12日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第23回が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 頼朝暗殺の報で揺れる鎌倉 曽我兄弟が頼朝へ謀反を企てているという情報が出てきました。それを受けて、各登場人物が何を目論見、どう動くのかが垣間見…

鎌倉殿の13人 「義時の生きる道」北条氏を襲う災厄

2022年6月5日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第22回が放送されました。 その内容と感想をまとめました。 頼朝に対するクーデター 一部の坂東武者が頼朝に対するクーデターを計画しました。八重の父の伊藤祐親の孫にあたる曽我兄弟がこの企ての中心人物です。 …

鎌倉殿の13人「仏の眼差し」 のちに初代執権となる北条時政の強さ

2022年5月29日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第21回が放送されました。 その感想をまとめました。 まず人物関係に着目して今回の話のポイントと感じたことを整理しました。 時政の力が芽を出しつつある 法皇様(後白河法皇)に気に入られているが、一歩距離…

鎌倉殿の13人「帰ってきた義経」異母弟との対立を逆手に奥州藤原氏を滅ぼした頼朝

2022年5月22日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第20回が放送されました。 その感想をまとめました。 今回は書きたい事が盛り沢山です。 義時と頼朝 概要 義時は、九朗が頼朝との対立を深めることを望まなかった。 九朗と頼朝の間を取り持とうとしたが、すでに…

鎌倉殿の13人「果たせぬ凱旋」 有力御家人と源義経の折衝力の差

2022年5月15日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第19回が放送されました。 その感想をまとめました。 院御所で絶対権力を振るう、後白河法皇の思惑に翻弄された義経が中心に描かれていました。 法皇様(後白河法皇)は、力を増す頼朝一人に権力を集中することを…

鎌倉殿の13人「壇ノ浦で舞った男」が描く、権力に翻弄され懐を探り合う人々

2022年5月8日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第18回が放送されました。 その感想をまとめました。 今回はシンプルな展開でした。一言で言えば、「権力の情勢を先読みする力」が主なテーマだったと感じています。 権力の情勢を先読みする力・・・梶原景時ら頼…

鎌倉殿の13人「助命と宿命」が描く組織のトップを取り巻く覇権争い劇

2022年5月1日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第17回が放送されました。 その感想をまとめました。 今回描かれていたのは、 頼朝支配のやり方に逆らえない御家人・・・木曽義高を討てと命じられた小四郎(北条義時)と北条時政、三浦義澄の本音が語られていた…

鎌倉殿の13人の「伝説の幕開け」に現代ビジネスシーンを垣間見た理由

2022年4月24日にNHK総合ほかで鎌倉殿の13人の第16回が放送されました。 サラリーマンのビジネスシーンに共通する観点で感想をまとめました。 要点は3つ。 「自己利益」自分のグループが評価されることを優先 「個人のスキル差」が描写されている 「運」厳し…