就職と欲求段階説

就職活動のための自己分析。今は当たり前になりつつあるが、私の親の世代は自己分析という言葉すらなかったようだ。自己分析とは何なのか。ここのところ突き当たっている問題である。

 

マズロー欲求段階説というのがある。

人間の欲求はレベルの低いものから、高いものに階層的に向かうという理論だ。

 

私はこれにだいぶ自己分析のヒントを得た。この欲求段階説を人体の骨だとしたら、そこに企業分析を通して肉付けを行うことが必要だ。

 

欲求段階説の最下層である生理的欲求が満たされると人間は次に帰属欲求をもつという。

帰属欲求とは、他者との関係の中で社会に帰属していたいという欲求のことだ。

この帰属欲求が就職という一つのライフイベントの入り口だと私は思っている。

 

人間にとって帰属意識は重要だと思う。他者から自分の仕事を認められること。

それがないとやっていけないからだ。会社や社会に何の、誰の役にも立っていないと帰属感は薄れる。その帰属感を人間は求める。何かしら他者にとって有意義な存在でいたい。

生理的欲求が満たされないと不安になるのと同じだ。例えば食欲が満たされない飢餓のような環境にさらされ続けたら、人は生きられない。その不安から人はできるだけ遠くにいたい。

会社において帰属欲求を満たすために、自分の長所を探さないといけないんだと思う。自分が苦手なことで他者の役に立つのは難しい。

 

人間が帰属欲求を満たされると、次にもつといわれるのが尊厳欲求だ。

欲求段階説の尊厳欲求は、自分の能力を発揮して自信をもちたいという欲求のことだ。

たとえば粘り強さが持ち味の人であれば交渉や折衝能力を伸ばしたい、といった具合に。

どうやったらその尊厳欲求が会社において満たされるのか、それが自己PRだと思う。自分の伸ばしたい能力が発揮できるのはどんな時なのか。それを明確にしないといけない。

 

人間が尊厳欲求が満たされたあともつのは、欲求段階説の頂点となる自己実現欲求である。

就職において、帰属欲求をピラミッドの土台としてその上に尊厳欲求があり、そして一番上に自己実現欲求がある、とイメージしてもらえばいい。

 

自己実現欲求とは簡単に言えば自分自身で決定したいという欲求である。就職においては、これが価値観とかやりたいこと・夢とかにあたる。

 

長所や強みを自分の現在・そして過去から抽出し、それを武器に帰属欲求や尊厳欲求を満たす。そのうえで自分の価値観のもとその会社で何をやろうと思っているかを明確にする。それが自己実現欲求を満たす。私の自己分析のイメージ。