英語のリーディング教材におすすめの本

英語の学習し始めの時期って、
「どんな教材を選べばいいんだろう」
という人が多いと思います。

そこで、リーディングにおすすめの本を紹介します。

英語リーディング教材におすすめの本

アメリカ口語教本中級用

英語を勉強し始めた人に僕がおすすめしたいリーディングの教材は、「アメリカ口語教本中級用」です。

中学高校レベルの簡単な英語で書かれていて、一つ一つの文章も250~300語と
読みやすい長さになっています。(センター試験が400~600語くらい)

音声CDも付いているので、記事の後半で少し触れている音読もできるようになっています。

では「なぜおすすめか?」ということについて説明したいと思います。

リーディング教材におすすめする理由

理由1】主張が分かりやすい

筆者の主張を見逃さない

リーディングで一番だいじなのは、書き手の主張をおさえること。その練習に
アメリカ口語教本中級用」 は最適なんです。

一般的に英語の文章において書き手の主張は、以下の簡単な 4つのルールにしたがって書かれています。

  1. 「助動詞」を使う。
    例) can, may, would など
  2. 「動詞の現在形」を使う。
    例) is, are, go など
  3. 「あいまいな形容詞」を使う。
    例) convenient など
  4. 「比較表現」を使う。
    例) more important, the oldest など

アメリカ口語教本中級用」はアメリカのネイティブの著者によって書かれています。一般的な上記4つのルールにきちんと沿った良質な文章で構成されているんです。
なので英語初心者がリーディングをするのにとてもおすすめの。

本文中にこのどれかに当てはまる文があるはずです。それを見逃さないこと。

例えば以下の “ WORKING FOR THE TIMES ” というお話から。

Almost everyone believes that working for a newspaper must be a fascinating job.

アメリカ口語教本・中級用」 W.L.クラーク (研究社) より “ WORKING FOR THE TIMES

どうでしょうか?
先ほど紹介した4つのルールのうち、2つが隠れています。

1つめ。
「助動詞」です。

ここでは“ must ”が使われています。
ちなみに「~に違いない」とか「~のはずだ」という推測の助動詞です。

ですので、この1文が書き手の主張を示す部分ということになります。

そして、2つめ。
「あいまいな形容詞」です。後ろから2語めの“ fascinating ”です。

“ fascinating ” は「魅力的な」という意味の形容詞です。
書き手の主張には「あいまいな形容詞」 が使われます。

一般に英語の文章では最初に「あいまいな形容詞」を使って、自分の主張を印象的な言葉でシンプルに伝えます。

【理由2】展開が分かりやすい

英文は抽象的な主張から具体例で展開

一般的に英語の文章では、最初に「あいまい」な言葉を使って主張しておいて、
その部分を具体的に展開していくんですね。

アメリカ口語教本中級用」の文章はこのセオリーどおり、「あいまい」→「具体的」という展開になっています。

では、実際の文章で「あいまい」な主張を「具体的」に展開していく様子を見てみましょう。

Almost everyone believes that working for a newspaper must be a fascinating job.
( ほとんど全ての人が新聞記者は魅力的な仕事だと思っている。)

上の文では、“ fascinating ” という「あいまい」な言葉を使って主張しています。
そこから“ a fascinating job ” (= 魅力的な仕事)を具体的に掘り下げていく、という流れになります。

続きを見てみましょう。

Most people think that newspaper reporters spend most of their time interviewing famous people and covering interesting and exciting news stories.
( ほとんどの人が新聞記者は有名人に取材したり、おもしろくてワクワクするニュース記事を紙面にのせて過ごしていると思っている。)

アメリカ口語教本・中級用」 W.L.クラーク (研究社) より " WORKING FOR THE TIMES "

言ってることはさっきの文とほぼ同じです。
「『新聞記者は魅力的な仕事 』だ」というのを、
「新聞記者は『〇〇して過ごしている』」という風に少し具体的に書きかえただけなんですね。

このように、書き手は何度も自分の主張を繰り返します。
伝えたいことを読み手に分かってもらうためです。

同じようなことを繰り返すと、自然と似たニュアンスの表現で言い換えをするので、
それを利用して分からない単語の意味を推測します。

ではその単語の推測の仕方を見ていきます。

【理由3】単語の意味を推測する力がつく

お次は “ CHARITY BEGINS AT HOME ” というお話から。

タイトルにもあるように、第一段落では「慈善活動はまず家庭で始めるべきだ」と
筆者は言っています。
第二段落から見てみましょう。

Most people belong to charitable organizations.

……, but you might be surprised to learn
how many of these same people neglect their own family and children's needs.

アメリカ口語教本・中級用」 W.L.クラーク (研究社) より “ CHARITY BEGINS AT HOME ”

1文目では慈善団体に入っている人がたくさんいる、と前置きがあります。
2文目で“ might ” (助動詞) を使っているので筆者の主張だなと思い、
“ neglect ” の意味を推測したい。さてどうしよう?

ここでの筆者の主張はこうです。

(慈善団体に入っている人々がたくさんいる。)しかし、彼らは自分の家庭を“ neglect ”している

この主張を具体的に言い換えているところはどこか?


Case in point, Mrs.Brown regularly attends charity events ……

However, …… she has no time to prepare meals for her husband and children ……

アメリカ口語教本・中級用」 W.L.クラーク (研究社) より " CHARITY BEGINS AT HOME "

ここです。(ちなみに " Case in point " は「例えば」です。)
慈善活動にいそしむブラウン夫人。彼女が慈善団体で活動している人の典型例。
その彼女がどのように家庭を “ neglect ” しているのか?が2文目に書いてます。

筆者の主張はこうです。

(ブラウン夫人は慈善活動に参加している。)しかし、彼女は夫や子供のために食事の支度をする時間がない

“ neglect ” は「夫や子供のために食事の支度をする時間がない」ことを言っているんですね。

“ neglect ” を 辞書で調べてみます。

1. (意図的ではなく不注意で) 軽視する、なおざりにする etc

2. (不注意で) ~し忘れる

3. (仕事などを) 怠る

英辞郎 on the WEB より引用

辞書には最低でも3つくらい違う意味が出てきますよね。
いくら辞書とにらめっこしても答えは出ないんです。

でも、先ほど示したように、主張とその具体例を意識すれば、
ある程度意味を限定できます。

ここでは、
1. の「なおざりにする」が一番近いとおもいます。

いちおう日本語にしてみます。

「だが、これらの同じような人々の中で、どれほど多くの人が自分の家庭や
子供たちが必要とするものを『なおざりにしている』のか知って驚くかもしれない。」

ついでに具体例の文も。

「しかしながら、彼女は夫や子供たちのために食事の支度をする時間がないのだ。」

意味が頭にすっと入ってくれば OK。

なぜリーディングをするべきなのか

最後に、リーディングと並行で行うべき「音読」について少しだけ触れておきます。

僕は英語の勉強をはじめようと思い、いろいろと勉強法を調べていた時に
「音読パッケージ」という方法を見つけ、実践していました。

簡単にいうと、音読を軸にリピーティング・シャドーイングで変化をつけつつ
英語を英語のまま理解するトレーニングです。

音読パッケージの手順

  1. 英語音声を文単位に区切り、聞こえた英語を復唱する。(=リピーティング)
  2. 文全体のリーディング
  3. 音読、シャドーイング
  4. 1~3を繰り返す。

音読はスピーキングやリスニングにも効果があります。
僕もこの方法で音読を数カ月やったおかげで、実際に英語の語順で
日常レベルの会話が何とかできるほどになりました。

その音読の効果を得るカギが「リーディング」です。
英文を完全に自分の中で理解したうえで、くり返し音読を行うことがだいじです。

まとめ

リーディング 」をする教材として僕が ” アメリカ口語教本 中級用 ” をおすすめする
理由が分かっていただけたでしょうか?

リーディングで筆者の主張 、単語の意味や構造を99.9%理解した上で
何度も音読することによって、英語の表現が身についていくはずですよ。
少しでもこの記事が参考になればうれしいです。