キンモクセイが放つにおい

キンモクセイのにおいは独特だ。

 

いいにおいなんだが、「私いいにおいするでしょ」って感じがする。人気の香水をつけたグイグイ系の女みたいなにおいである。ぼくは1年前くらいまではこのにおいが好きだった。が、じょじょにその感覚はうすれつつある。

 

ひと世代前まではトイレの芳香剤のにおいで通っていたらしい。なるほど、「私いいにおいするでしょ」という感じがするはずである。トイレはもともととても臭いところだから、真逆のベクトルのにおいで打ち消そうという発想だ。「どう考えてもくさい」に対しての「大衆的ないいにおい」である。

 

最近キンモクセイの群生地の近くを通ったせいもあるかも知れない。遠くから風にのってにおいがとんでくる分にはまだ良かったが、至近距離でかぐと「いいにおい」というか「強いにおい」である。

 

 

控えめないいにおいがするキンモクセイを作ってほしい。そして、ないけど庭に植えたい。